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NASA、有人月面探査計画「アルテミス」を再延期 27年以降に

NASAは、有人での月面探査計画「アルテミス計画」について、再延期することを発表した。アルテミスIIを2026年4月、アルテミスIIIを2027年半ばに延期する。

アルテミス計画は、1972年のアポロ17号以降初めて、月面に人類を送り、長期滞在をしながら探査を行なうプロジェクト。最終的には火星探査を目標とするが、当面は月面探査が中心とされている。米国の超大型ロケット「SLS」により打上げられる新型宇宙船「オライオン」に宇宙飛行士が搭乗して月へ向かう予定。

2022年に「アルテミスI」としてオライオンの無人での打上げは成功しているが、その後は、2025年に宇宙飛行士が搭乗して月の軌道を周回する10日間のミッション「アルテミスII」、実際に宇宙飛行士を月面に降ろす「アルテミスIII」を2026年9月に行なう計画だった。

なお、アルテミスIIIは元々、2028年に計画されていたが、2019年のトランプ政権時に2024年を目標として再計画。当初から4年の計画前倒しは厳しいとみられていたが、バイデン政権に入ってから2025年に延期。その後、2026年9月に延期されていた。

今回、NASAはこれらの計画について改めて延期を発表。アルテミスIIを2026年4月、アルテミスIIIを2027年半ばに延期する。

延期の理由は、アルテミスIで再突入を行なったオライオン宇宙船の耐熱シールドに予想以上の損傷が確認されてたため。現在では問題は解明されており、製造方法を改良することで対応している。

なお、2028年に予定されている「アルテミスIV」では、日本人宇宙飛行士が初めて月面へ降り立つ計画だが、こちらも延期される可能性がある。